映画『国家が破産する日』

韓国の通貨危機を描いた映画『国家が破産する日』を観た。国際的な通貨の仕組みに疎いので全体像がよく把握できないが、金融資本のグローバライゼーションの実態を知ることができた。IMFアメリカがグルになって韓国をはじめアジアなど中進国を収奪する背景については全く無知であった。

ウォンの暴落を予想し、ドルを買い漁って大儲けした元ファンド会社の男が次のように言う。

「政府はIMFを選ぶ。連中は市場原理主義者です。危機を脱する際も、大企業や財閥が何とか生き残れる方法を選ぶでしょう。金融支援を要請して、それを口実に大々的に構造調整を進める。危機を機会として利用し、富める者を生かす改革を試みるはずです」。

そして、主人公である韓国銀行の女性金融チーム長も次のように言う

「貧しい者はさらに貧しく富める者はさらに富む。解雇が容易になり非正規雇用が増え、失業者が増える。それがIMFのつくる世の中です」。

 

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主人公はその不公正を告発するため記者会見するが、翌朝の新聞には何も報道されていない。権力とメディアが一体になっていた韓国は救いがたい状況に陥っていたようだ。

この韓国の権力とメディアの癒着を描いたドキュメント映画『共犯者たち』も1か月ほど前に観た。たまたまだが、韓国作品を連続して観ることになった。

 

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『国家が破産する日』は、別々に展開されていた話が最後に結びつくなどドラマとしてもよくできていて、見ごたえのある作品である。