キューバの社会

私たちは、消費社会のメンタリティを追い求めません。結局、あれも欲しいこれも欲しい、買いたい買いたいだけの社会になってしまうでしょう。ラテン・アメリカもアジアもアフリカも、消費社会を目指せという教育をしているし、IMFも世界をその方向に導こうとしています。

しかし、キューバは違う。消費社会が豊かな社会とは考えないのです。文化の豊かさこそが人間を豊かにするのです。そのためにも、教育が何より大切なのです。このことをキューバ国民は理解してくれています。きちんと充分に説明すれば分かってくれるのです。

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カストロ 銅像なき権力者』(戸井十月)の中での記述である。戸井本人がキューバに出かけ、直接カストロに会った際に聞いた言葉だ。

人間の欲望をエンジンにする消費社会(=資本主義社会)はいつか破綻する。その先で、人間はこういう社会を構築せざるを得ないのではないか。

キューバでは教育費と医療費は無料。医学生の教育費も無料だから、日本のように高額な教育費(=投資)を取り戻すために医者の給与を高額にする必要がない。驚くべきことに、心臓移植も無料だそうだ。

もちろんさまざまな歪みや課題はあるだろうが、理想的な社会ではないだろうか。